老朽化したマンションの現実

マンションには多くの人が住んでいます。多くの家族がいて、時間と共に変化します。
入居時は子育て同世代で、想い意見が同じ方向をむいていましたが、子供の成長と共に違う塾へ行き、違う学校へ通います。当然、学校の同じ部活の生徒の父兄との付き合いが濃くなります。
仕事を含めた日常の慌ただしさの中にいるだけで手がいっぱいだと思う中、仕事上のトラブルが発生すると心休まるときがありません。そこにマンションの会合やイベントがあっても、徐々に足が遠のくことは自然なことかもしれません。

3世帯で入居した優しいおじいちゃん、おばあちゃんを見かけなくなります。
だれが住んでいたのかわからない部屋が売りに出されたり、貸したりしています。知らない犬を連れた人を見かけるようになります。何回か外壁やエレベーターなどの点検や修繕をし、働き盛りだった人がマンションにいるようになります。
ある日、マンションの管理組合の役員当番で、会合に参加しました。
管理者から当マンションは大規模修繕の必要があり、修繕をするためには「区分所有者及び議決権の各4分の3以上」の賛成が必要です、と説明を受けました。
概略的に「区分所有者」とはマンションの部屋の数であり、「議決権」は専有部分の床面積の割合です。「区分所有者及び議決権の各4分の3以上」とは、会合の出席者ではなく総数です。
あなたは、どうしますか?

国土交通省が耐震性の不足するマンション(出典:国土交通省ウェブサイト (001404906.pdf (mlit.go.jp))、第三者被害をもたらすマンション、バリアフリー基準の不適合マンションなどを放置するのではない手法を提案・検討しています。
これで運営が整うマンションはわずかではないでしょうか。
公共の福祉と個人財産の境界を行政がどこまで踏み込めるのでしょうか。


2024年4月23日 | カテゴリー : ブログ | 投稿者 : 萱嶋弘明